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長いお別れにむけて

無題

あちこちに悪意は潜んでいて、わたしは「そういう」いきものだから、知らない人間から悪意を手渡されることがままある。手渡されるだけならまだいいのだけれど、大抵は投げつけられる。パイ投げみたいに。わたしは元からぼさぼさの髪の毛をぐちゃぐちゃにさせて笑う。慣れっこだ。わたしはそうして渡された悪意を誰かに渡すことが出来ない。だからと言って消化し切れるほどでもない。腹の中で悪意はどんどん、どんどん黒くなっていく、タールのように。わたしが小説を書くようになったきっかけ、それはただひとりの女の子だった。彼女のために書いたと言ってもいい。そして書くことによって、わたしの腹の中の悪意は確実に減っていったのだった。



今日もまた、わたしのぼさぼさ頭目掛けて、誰かが悪意を投げつけた。君の左手に神の力が宿っていたら、この悪意も消してくれるだろうか(ないよな)。腹の中はもう悪意の塊でいっぱいで、真っ黒で、わたしは日毎に輪郭を失っていくような気がしている。きみはどこかに行かないよね? と訊く。だけど本当にどこかに行ってしまうのはわたしの方かもしれない。




拍手ありがとうございました。コメントお返事はのちほど。
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