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長いお別れにむけて

雨が降ったら傘だけ持って

雨が降ると傘をさして外に出たくなる。雨粒が傘をばしばしと叩く音、柄から伝わってくる振動、足元があっという間に濡れていく、雨のにおい、アスファルトが濡れるにおい。そういうものが好きなのだ、子供の頃からずっと変わらない。いつまでそんなことやってるの? と何人もの人に笑われたり呆れられたり怒られたりしていて、それでもわたしはやめない。



何をしても満ち足りるということがない。満足しない。まだまだ足りないと思ってしまう。満ち足りている状態をしあわせと言うのなら、わたしはきっといつまでもしあわせにはなれないだろう。何人かの人がわたしにそう言ったように。きみのようなひとはしあわせにはなれないよ。



わたしの一番の武器は好奇心だと思っている。わたしの好奇心はちょっと異常なくらいで、わたしの猫たちの好奇心にも絶対負けないと思う。何にでも興味を持って、知ろうとする。触ろうとする。だからいつだってたくさんの物事が気になっていて、好きなのだけれど、そんなのはうそだ、ともよく言われる。本当に好きなものがないのだ、と。



多分、わたしの好奇心こそがわたしを生かすものなのだ。そして同時に、わたしの好奇心こそがいつかわたしを殺すものになるのだ。それでもわたしはいつだって自分のやりたいようにやる。わたしは自分の勘を信じているし、何を選んでも後悔をしないと知っている。いつまでそんなことやってるの? とあなたはわたしに言う。多分いつまでも、とわたしはあなたに言おうとする。だけどもうどこにもあなたはいない。そして雨が降り出す。わたしは傘を持って用事もないのに外へ出る。あなたは顔を顰める。わたしは笑う。わたしだけのためにこの好奇心があり、わたしは全く自己中心的に生きて、死ぬ。もうあなたもわたしもここにはいない。



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