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長いお別れにむけて

桜の森の満開の下

桜の花をぼんやり見ていると、なんだか自分の足元がぐらつくような感覚を覚える。小さい頃からずっとそうだ。あの淡い色合いの花がたくさん集まっているさまが、もう空恐ろしく感じる。儚くて美しいものが、わさわさと風に揺れている。とてもきれいだと思う、だけど背筋がつっと冷たくなるような、わたしは本当にここにいるのだろうか? なんて馬鹿馬鹿しい考えがふっとよぎるような、不吉なものを感じてしまう。



とは言いつつも、何年も前に花見をしたことをよく覚えている。満開の桜の下で、わたしはとても仲の良かった男の子と日本酒を酌み交わした。とても寒い夜だったけへど、お酒を飲めばあたたまるだろうと高を括っていた。まあ、飲めども飲めどもあたたまらず、我々は部屋で飲み直すことになるのだけれど。そのときに見た夜桜は本当にきれいだった。風が吹く度に落ちていく、白と桃色のあわいのような色の花びら。もうわたしたち死んじゃってるみたいじゃない? と思った。それを口にしたのかどうかはもう覚えていないけれど。



今朝、通勤電車のなかから満開の桜を見た。不意に「八つ墓村」のワンシーン、桜吹雪のなかを走ってくる殺人者のことが頭に浮かんで、そのときに掛かる音楽がまたとても素晴らしいのだよなあ、と思った。桜はあっという間に流れ去っていった。




拍手ありがとうございました。
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コメント

1. 無題

芥川也寸志のあの音楽、よかったよね

Re:無題

すごくわくわくします。

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