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長いお別れにむけて

新宿について

乗り換えのために新宿駅に降りた。新宿駅に降りたのはどれくらい振りだろう。案外そんなに間を置いていないような気がする。


新宿という場所はわたしにとってあまり好きな場所ではない。でも、以前、ある時期、ある男の子と一緒にたびたび新宿に行った。たくさんのCDを持って、それを売りに行くのだ。査定の間、中村屋で食事をとって(後に村上春樹の『1Q84』を読んでいて、ああ、ここに、わたしたちも行ったんだ、何度も、と思い出したりした)、わたしはいつも同じものを食べた。そういう人間なのだ。査定が終わったら、わたしは鉱石を買った。鉱石であったり、化石であったり。そういう品々は今でもきちんとわたしの部屋で呼吸をしている。わたしとその男の子が新宿に行くことはなくなっても。そうやって行く新宿はとてもすきだった、わくわくした。でも今は、新宿なんてきらいだ。



新宿はいつも小雨や曇り空のような気がする。それは気のせいで、晴天の日に新宿を歩いたことがあるはずなのだ。わたしの記憶のなかではいつも小雨か曇天というだけで。今、一緒に新宿駅に降りた人は、何かを探すみたいに駅の構内を見つめていた。わたしはその人の探しているものが分かったけれど知らないふりをした。



・拍手ありがとうございました
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