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長いお別れにむけて

実弾



ここ最近ずっと調子が悪い。
大体おやつどきを過ぎたくらいから、眩暈がする。奥行きがうまく測れなくて棚にぶつかり、ふかふかの絨毯の上を歩いているように、足がもつれる。十数年前の夏、やはりこんなことがあった。これは多分再開の合図なのだ。わたしはそれを見ないふりをし続けている。わからない、気付いていない、ふりをする。



ひとりの部屋はだからと言って広くもない。そして寒すぎる。大体十年くらい、わたしは生まれた街を出て、この辺りでうろうろと過ごしていた。してはならないことばかりして、秘密をいっぱい詰め込んでしまった腹はとてつもなく重い。もう終わりにしちゃおうかなあと思う。声に出してみる。ひとりごと。



好きなものがたくさんあって、好きなものはいつでもわたしを救ってくれた。時にはやさしく目隠しをしてくれた。ああでもわたしが望むのはこんなことではない。安心したい。そう言ったら空っぽの部屋が笑った。絶対に許さない。そう言ったら飼い猫が笑った。心臓に刺された錆びた釘のまわりがじくじくと膿んでいる。「おまえはまだそこでそんなことやってんのかよ?」。パイ投げみたいに投げつけられる悪意。ああもううんざりだ。やめてしまおう。もう実弾を撃つだけの元気だってない。眩暈がやまない。




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