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長いお別れにむけて

トディは海の味

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トディは海の味

仕事に行く電車のなかで、自分が風邪を引いていることがわかった。身体の奥の方が冷えてぞわぞわしたのだった。仕事を終えて帰る電車ではすっかり風邪に参ってしまっていた。おまけに颱風ときた。こんな日には電気を消して、浴槽にお湯を張って入るしかない、と思って、実行。人間の身体って、暗いところで見ると彫刻みたいな陰影があるな。窓から青白い光が差し込んできていて、この部屋のこの浴室に初めて入ったときのことを思い出した、けれど、別に今と同じ光景だったわけではない。ただ青白い光、というのがスイッチだったというだけで。オン、オフ、ステイしてオン、結局オフ。颱風だから雨も元気がいい。雨音を裂くように、車の音が割り込んでくる。みんなどこかへ向かいどこかへ帰っていく。



目が覚めたのは昼過ぎで、颱風はもうどこかへ去って行ってしまっていた。たまの休日も大抵はどこか体調を崩している。一日おとなしくしていて、夜にまた身体の奥の方が冷えてぞわぞわし始めたので、ホットウイスキー・トディを作った。朦朧とした頭で作って、一口飲んで、思わず笑った。海の味がしたからだった。そこでまた、スイッチがオンになって、ある人と交わした「インディアン式の仲直り」を思い出した。煙草を交換するやつ、あれ、本当に実在するのかな、と思って、調べようとしたけれど、やめる。あれはあれでいいわけだから。海の味がするトディを流しにやって、水に溺れていた蜘蛛を助けた。地獄に堕ちたときはどうかよろしく。
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手羽先700
性別:
非公開

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