忍者ブログ

長いお別れにむけて

よそゆき顔で

きみはかわらないね、とよく言われる。わたしはみんなのいなくなった街で、亡霊のように、残党兵のように、暮らしている。しんがりは任せてくれよ。いつまでもあの頃と変わらず、(まだそんなことやってんの?)と思われるようなことばかりやっている。



わたしは、この街をそろそろ出て行こうかと考えている。そしてその話は少しずつ具体性を帯びつつある。だけど、本当に出て行けるだろうか。しばらく顔を見せなかった病気が、あるときふっとやってきて、嬉しそうに笑って、わたしの隣に腰を下ろしたように。ここから出て行くことなんて出来ないのではないか、と考えてしまう。



でも、思えば、自分が猫を飼うことになるとか、どこかへ泊りがけで旅行に行くことになるとか、(きっとみんなには些細で簡単なことだと思うけれど)、わたしは自分にそんなことが起きるなんて考えられなかったのだ。



昔の知り合い、知り合いというには妙な関係の人と、すれちがった。向こうは少しも気づいていなかった。変わらないね、歩き方とか。もし、もしも向こうも気づいたとして、わたしたちに何か語るべきものなんてあるだろうか? いや、ひとつも、ないな。それって悲しいことなのかな。さあ、もうわかんないや。



そのまま電車に乗って、亡霊のように、あの街へと帰った。
PR

コメント

プロフィール

HN:
手羽先700
性別:
非公開

P R